種オスの出荷に初立会い

ぼくが面倒を見ている種オス967の出荷立会い。

967の出荷は見ないつもりだったけど、我が場長が「見ないとダメ(^^)おまえが出荷台まで誘導すんの(^^)」と命令してきたので、仕方なく従うことになった。

種オス舎から途中までは場長が967を誘導して、そこから出荷台まではぼくが誘導して、最後ゆったんが、トラックにのせた。

出荷台に入るとしばらく不安そうにぼくの顔見てたけど、他の出荷されるまわりの豚が全員メスだって気づいた途端めっちゃテンションあがって、どいつにしよっかな?って女のケツばっか追っかけ回してて、さすが967って笑った。

1年間メスに会うことも出来ずにヒトに精液採取され続けていたから、最後にハーレムを経験出来て、ホント良かったね。そりゃ嬉しいわな。

女と楽しそうにイチャついてる967を最後に見る967にしようって目に焼き付けて、振り返らないようスタスタ出荷台を去って、さっきまでやっていた離乳舎の洗浄に戻った。

さあ気持ちを切り替えてやるぞって思って、周りに誰もいないけど少しニコってした顔作って、思い切りケルヒャーの高圧洗浄機のレバーを引いた。

ブオーーーーン!って、すごくうるさい。
何故ならケルヒャーの高圧洗浄機だから。
その洗浄機の何事も無かったみたいな音を聞くと、何故か急に悲しくなってきて、思わず膝から崩れ落ちた。そんで突っ伏したま声出して泣いた。めちゃくちゃ泣いた。

しばらくするとガチャって扉が空いて、ゆったんが入ってきた。

なんか言いたげに近寄ってきたから、なに?って声をかけたら、ゆったんも急に泣き出した。ぼくが967の話したから、親しみが湧いてしまって、あとエサ当番の時もあったから、入社した時から居たやつだから、って話しながら、ボロボロ涙流してた。

場長は通路で出くわしたときに、
「泣かないの?(^^)もう泣く?(^^)967は明日ミンチになります(^^)」ってからかってきてむかついたけど、でもよく見ると場長も泣いたんだなって顔してた。

今日は暖かいシャワーを浴びてゆっくりして、きれいになって、明日屠畜。

967くん、
ぼくに精液採取の仕事を時に厳しく、時にやさしく、丁寧に教えてくれてありがとね。

きみのちんちんはヌルヌルしていてやりにくかった。量が多くて疲れた。

ちょいブサな967くん。
隣の183に変な声で話しかける967くん。
撫でたらやめろって言いながらも何回もせがむツンデレの967くん。
ぼくが種オス舎に入ったら、でっかい体を起こして話しかけてくれる967くん。

今までよく頑張ったね。
本当にありがとう。
お疲れさまです。