日記

昔、恋人だった人と電話でケンカした時に「アリーは感情が2つか3つくらいしかない」と言われたことがあった。言葉の意図は決して哀れみとかではなくて、アスぺの僕にもわかるくらいに「短絡的で頭が悪い」というようなニュアンスだった。

僕はこの時、かなり呆気にとられた。
なぜならそれまで、自分は人の何十倍も物事を考えていて、とても複雑な人間だと確信していたからだ。「多分、みんなそう思ってるよ」と追い打ちまでかけてきたから、僕は返す言葉もなくて、そのまま電話を切って落ち込んで、何より腹が立ってしょうがなかった。

・・・という経験談を今日夫に話したら、
「きみはアウトプットが下手なのもあるけど、前提として他人に見せている部分が5%くらいしかないから勘違いされたのでは。俺もきみをわかっているようで全然わからん。でも、誰も考えの及ばないようなことをいっぱい考えていることはわかるよ」と、早口で言った。僕は「わかってんじゃんかよお」と言って缶チューハイを開けた。

けれど内心ではわかっているよ。僕は短絡的で、頭が悪いのだ。衝動性でしか行動できないような、野蛮な人種なのだ。夫はそんな僕を見透かして、僕の望む言葉を言ってくれただけなんだろう。

虚しい夜だな。