夏の終りの祈り

窓を開けたまま横になって しずかに部屋の灯を 消す 暗く視界のない部屋に入り込んでくる そよ風のにおいは もう ほとんど秋だ 風を思い切り吸い込んで 真っ黒の肺を 秋で膨らませてみる そろりとやってきたのは 思春期だ 哀しみと憎しみ 孤独と苦悩 それし…

傘と包帯

早乙女まぶた氏主催の詩集に、いいな名義で寄稿しました。 note.mu 仕事を辞めてから、公私ともに、また文章に向き合うことが多くなった。そしてやはり、自分にはこれだなあ、とも思う。デザインやイラストも好きだけど、仕事としての商業的なものしかできな…

発狂歴 #1

僕は意外と発狂したことがあまりない。どちらかというと慢性的に少量ずつ発狂しているような感じなので、発作的な、突如の発狂経験は数えるほどである。 その中でも、やはりはじめての発狂が特に印象に残っている(記憶はあまり残っていないのに)ので、ここに…

企業人は外国人

三年間、自分を殺し続けながら頑張った。本当、とてもエラい。働いてみてわかったことは、企業人とは外国人であるということだ。 自分も最大限合わせる努力をしたし、本意でない発言もたくさんした。自分の気持ちや意見を述べるときなんかは百パーセント嘘だ…

高校卒業程度

人として正しくあることは、自信になります。自信を持ち始めると、自己否定をする理由が薄れて、何もできないということはなくなります。さらに健常程度の自己肯定感が芽生えると、例えば思っていることを言葉にできたり、他人の意見に反論できたり、こうあ…

ポルシェと家族だけが存在する世界

ハロワから帰りのバス停まで歩く 寒くも暑くもない ぬるい外気にまみれて 金のことを考えながら 歩く 通りがかりのガソリンスタンドから ビッカビカの 真っ赤なポルシェが出てくる その窓からは ギラギラしたバブルババアが イカした顔をのぞかせる それを見…

平成二十年から先日までのこと

じゅげむ→はてブロに引っ越し。なので、ここ十年ほどの出来事をなるべく簡潔にまとめた。クソみたいな経歴を綴ると、クソそのものになった。我慢しながら読んでください。 ♦︎ 二十歳の夏、自分にはこれしかないと思っていた劇団や映画を、突然に投げ捨てて札…